日別アーカイブ 2010年8月23日

投稿者:hosanna

小川未明

日本の児童文学作家の中でも、とりわけ評価が高いながらも世間一般ではあまり名の知れていない(ような気がする)小川未明氏の「野ばら」を読んでみました。

この方の作品の一番の魅力は、素朴で温かく、情緒あふれる丁寧で美しい日本語です。

最近では英語を公用語にする日本企業も登場するなど、グローバル化の影響が押し寄せています。

しかしながら、日本の「おかげさま」という感謝を表すような言葉は、英語には訳すことがむずかしいといいます(「優しい日本語」/清ルミ)。

日本語には、他言語にはない豊富な擬音・擬態語や、天気や農業にまつわる多彩な言葉があります。

そんな繊細な日本語を、実に流麗で柔らかく紡ぎだすことができたのも、日本が培ってきた自然と共に暮らす風土あってのこと。
100年近く前に、このような素敵な作品群が生み出されたことを思うと、日本語というものをもっと知りたくなるのでした。