食はいのちの源。
ところが現代は、人間の根源である食をおろそかにして、遊興費や通信費などにお金をかけ、食費を削り生活を送っている人たちが増えている。
そんな現代の風潮に疑問をもっていました。
先日TSUTAYAのレンタルで観賞したDVD「フード・インク」。
一部の巨大企業が食品業界を寡占し、利潤を得るために行き過ぎた”効率的”システムを構築し、食品を生産していく現場が映し出されます。
狭いところに押し込められる家畜。低賃金で搾取される労働者。食中毒が起きても対応しない行政。
ジャンクフード生活で増える糖尿病患者。河川に垂れ流される汚染物質。ホルモン剤を投与されて短期間で太らされる鶏。
低価格で大量の食品が手に入るようになった裏には、様々な問題が起こっていますが、それらについて消費者が知りえる情報は意図的に隠されてきました。
作中でも語られましたが、「企業は結果に責任を持とうとしない」。
日本でも、とある電力会社が相変わらず原発事故の責任をとろうとせず、再稼働に対しては前向き、というありさまです。
企業のモラル崩壊が叫ばれる昨今ですが、それを許したのは我々消費者であったり、声を上げなかった労働者の責任でもあります。
我々の食べるものがどこからきて、どのように作られるのか、それを知ろうとする努力を放棄して、ただ安いものだけを求める生き方では、食料の未来は危ういです。
店に並んでいるもの、企業が差し出したものを黙って受け取ることは、そうした利益優先社会に加担することと同じではないでしょうか。
世界を変えていけるのは、市民一人一人の意識と行動力です。
明日スーパーに並ぶ食品が、ジャンクフードだらけになってしまわないために。
「フード・インク」に世界を支配されない生き方を、選択していこうと思います。
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